太平洋と熊野灘に面し鎧崎沖は「伊勢の神埼、国崎の鎧、波切大王なけりゃよい」と漁師に恐れられた海の難所。倭姫命が天照大皇神鎮座の地を求めて、国崎に立ち寄り、その時に倭姫命が岬で鎧をはずしたことから「鎧崎」と命名されたと言います。
熨斗鰒(のしあわび)を作る作業が、調製所で行われます。一つ一つ皮をむくように薄くそいでいき、それを干します。干し場は調製所のとなりにあり布のようになった鰒(あわび)の下がる風景を見ることも出来ます。
倭姫命に鮑を献上したと伝えられる伝説の海女おべんを祀ります。祭神は潜女神(かづきめのかみ)、猿田彦神ほか。海女たちは年初めの漁が始まる前に一年の無事と大漁を祈願しトモカズキと呼ばれる海の魔物にもご利益があるとして、参拝を欠かしません。海女以外の人々からも深く崇拝されています。
かつて行われていた大般若会には近隣から多くの人が訪れていました。安政の津波で宝詰浜から打ち上げられた立派な岩と津波の様子を記した記念碑が境内にあります。また宝剣山の由来は下野の国の山法師「阿じゃ梨円成」が大津浜あたりで潮垢離の願をかけていたところ宝剣を見つけたことからで、その記述が「太平記」にあります。これは安徳天皇が壇之浦に沈めた宝剣が国崎に流れ着き伊勢神宮に奏進したといわれています。
国崎にあった3つの山の神が前の浜近くに祀られています。11月7日の山の神の日と、大つごもり、漁のはじまる前、また大漁の時にお参りします。
幸せの歌碑は2004年、宮中歌会始めで秋篠宮妃紀子さまが披露された和歌です。「藻場まもる 国崎の海女ら 晴ればれと 得し海幸をわれに示せり」
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