メディア取材
雑誌やTVなどで取材された事を掲載しています。
豊穣の海より賜る
安乗漁港に着くと、後方からフォークリフトがやってきた。荷台には巨大な魚が泳ぎ回る水槽が。「わっ、でかい! フグですよ!」。
泉さんが驚きの声を上げる。
「これがあのりふぐ。大きいモンは7kgを超えるよ」。運ぶ漁師さんが急ぎながらも誇らしげに教えてくれた。
2007年、三重ブランドに認定されたあのりふぐとは、志摩半島から伊勢湾、遠州灘にかけての沿岸で獲れる天然トラフグを指す。
春、プランクトンや小魚が豊富な安乗岬辺りで誕生。
秋以降、東シナ海から北上してくる暖流・黒潮にもまれるため、身が引き締まるのが特徴。700g以下の個体は放し、漁期を厳しく守る。
魚を傷つけないよう、生簀に入れたフグを見定めながら船上でセリを行うなど、徹底した取り決めが功を奏し、少しずつ知名度を上げている。
「僕も数年前から名前は耳にしていました。今回の目的の一つは、このフグを食べることです。白子、入っいるかなぁ?」
パンパンに膨らんだあのりふぐの白い腹を泉さんは愛おしそうに撫でる。
海辺の街特有、曲がりくねった狭い道の先。太平洋にせり出すようにして建つ料理旅館「富久潮」へ。
81年開業。流通業でひと旗揚げた先代が求めた、見晴らしの良い地に建てられた館からは波の音が一日中聞こえる。
厨房を預かるのは、志摩市内などで腕を磨いた二代目の尾崎茂人さん。
「自慢できるのは、部屋からの眺めと新鮮な地魚。特にこの季節はあのりふぐを食べてもらわんと。うちでは1kg以上のモンしか使いません」と差し出された、大きな絵皿に盛り付けた、てっさを見た泉さん。
思わず「これ何人前ですか? 一人前が30切れですって? 僕らの常識のほぼ倍ですやん」と驚きを隠さない。
やや肉厚に引かれた灰白色のてっさは「噛めば噛むほど甘みが出てくる。ポン酢つけるのがもったいない感じやね」。
泉さんをより饒舌(じょうぜつ)にしてくれる。
昆布だしが張られた土鍋の中のあのりふぐも食べごろに。
「プリプリッとした肉質がええねぇ。脂はのってるんやけど、旨みがキレイというか、後口がすっきりですね」。
エキスがたっぷり溶け込んだスープに卵と塩で味を調えた雑炊も五臓六腑に染み渡った。
料理人として「あのりふぐをぜひ使ってみたい。1週間ぐらい寝かせて造りに。塩を当てて、サッと炙ったものを真丈にするのもええ。白子と一緒に蕪(かぶら)蒸しに使うのも美味しいでしょうね」。
聞いているだけでも腹の虫が鳴りそうだ。
(あまから手帳より)
富久潮(ふくしお)詳細情報
住所 | 〒517-0506 三重県志摩市阿児町国府3675-1 |
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TEL | 0599-47-3520 |
FAX | 0599-47-3998 |
交通アクセス | 近鉄鵜方駅より三重交通安乗行きバスで15分、北上野下車し徒歩5分。又はお車(送迎有り要相談) |
駐車場 | 有り 15台 無料 要予約 |
チェックイン | 15:00 (最終チェックイン:19:00) |
チェックアウト | 10:00 |
総部屋数 | 12室 |
部屋設備・備品 | テレビ・お茶セット・ドライヤー(一部)・個別空調・石鹸(固形)・ボディーソープ・シャンプー・リンス・ハミガキセット・タオル・バスタオル・浴衣・スリッパ |
食事場所 | [朝食] 広間 | [夕食] 広間 |
カード | 利用不可 |
条件・注意事項 | チェックインが予定時間を過ぎる場合必ずご連絡下さい。門限は23時です。 |
キャンセルポリシー | キャンセル料は以下の通り頂戴いたします。 連絡なしの不泊/不着 :宿泊料金の100% 当日:宿泊料金の100% 前日:宿泊料金の70% 7日前から:宿泊料金の50% |